Flappy-Magazine

漫画を語る読み物マガジン

「左ききのエレン」は最悪の鬱漫画

人は誰だって、「何か」になりたいと言う欲求を持ってると思うんですよね。

ほとんどの人は、大人になったらサラリーマンになり、やりたくもない仕事、やる意味のわからない仕事を、上からの指示で給料のためにやり続ける。それはなんのためかと言うと生活のため。生活のために、「会社」と言う存在の中の一部になる。

もちろんそれは悪いことじゃない。安定した生活と言うものを求める上では大正解な行動なんだろうなぁと思う。

 

たださ、望んでそうなった人は少ないんじゃないだろうか。

 

 

僕は以前デザイナーをやっていた。当然学生時代には、きっとそのうちデザイナーとして大成して、「佐藤可士和」とか「佐藤晃一」みたいな、仕事の一つ一つを自分の仕事として世に出せる日が来るんじゃないかと思っていた。

 

お母さんには「やればできる子」と言われて育った僕は、その言葉を根っこから信じてしまい、本気を出せば俺は天才だからという、もっと言えば「俺は神の子」ぐらいまで思っていた。ちなみに両親は超中流階級。どこにでもいる普通の親。

なけどなんとなく僕は他の人とは違うと根拠のない自信を持っていたんです。

 

 

ただまぁ、デザイナーとして仕事をしていく中で、いつのまのか自分の表現ではなく、会社の求めることをやっていく毎日になり、その先には会社の繁栄はあっても、僕の名前が売れるようなことなんてなかった。

 

当たり前だ。僕は僕を売るための仕事ではなく、会社を売るための仕事しかしてなかったんだから。でもまぁ誰だってみんな凡人として生きていたいわけではなく、目指していたものがあるはずなんだろうなぁと。

 

そんな苦悩があり、僕は会社を辞めた訳なんだが、まさにそんな苦悩を表しているマンガがあった。

 

それが左ききのエレン。

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左ききのエレン 一巻より引用)

 

凡人はどれだけ頑張っても天才にはなれない

元々はCakesと言うウェブメディアで連載されていて、そこから作画担当がついてジャンプ+で現在も連載中のこのマンガ。

あらすじを簡単に説明すると、天才としてアートをやっているエレンと凡人だけと天才に憧れつつ、デザイナーとして商業デザインをやっている光一の物語。この漫画、試しによその漫画評論系のブログを読んでみたところ、「夢を持つ人みんなに読んで欲しい漫画」と書いてあったんだけど、僕の意見としては全く逆です。

 

夢を持つ人が読んじゃいけない漫画です。

なぜって?自分が天才じゃないことに気づいてしまうからです。

 

僕はもう30だから別にいいんだけど、20代でそれに気づいてしまうほどキツイことないじゃないですか。いや、気づいた方が色々と特なのかもしれないけど。でもさ、自分の実力は自分で実感しない限り、受け入れられないでしょ。自信満々、100点満点だ!と思って提出したテストに、0点をつけられて返されたら、無理でしょ。もうちょっと若い子には優しくしようよ。

 

この漫画でもしっかり書いてあるけど、天才とは生まれながらにそのことを全く苦とせず続けてきた人だけなんでしょう。例えばあなたが、仕事で成功しようと思った時にどうしますか?普通は必死に練習して、寝る間も惜しんで苦しい練習をひたすら続けると思う。

 

ところが「左ききのエレン」の天才、エレンは子供の頃から、努力ではなくただ楽しいと言う気持ちだけで、1日に14時間も飯も食わずに絵を書き続けていた。そこにあったのは苦しい練習や努力ではなく、楽しいと言う気持ちだ。天才とはこういうことだろう。

 

ただそれをすることが楽しいからやっている。それができるのが天才であり、努力でその差を埋めようとするのが凡才だ。

 

今、世の中では「好きなことで生きていく」みたいな理論がよくあるけれども、何者かになろうと思って「好きなこと」をやっている人は、まず間違いなく好きなことでは生きていけないと思う。好きなことだけで生きていける人ってのは、好きなことをひたすら続けていたら、気づいたら生きていけている人なんだろうなぁと、この漫画を読んでいると気づいてしまう。

 

たまに居ませんか?

こっちが必死で売れてるもんを研究して、どうすれば上手くいくのか必死に考えて、売れてるもんを模倣して、そこに自分なりのオリジナリティを出そうと頑張ってるのに、隅っこで一人でこっちが全く考えもしなかった全く新しい何か作って一人でこれスゲー!とか言ってるやつ。才能は努力じゃ埋まらないんですよ。凡人はビジネスはできてもアートは無理なんです。

 

最近東海オンエアって登録者450万人いるYouTuberにくそどハマりしてるんだけど、そこでリーダーのテツヤが言ってました。「俺は450万人に向けて動画作ってるんじゃなくて、俺が笑える動画作ってるだけだよ」と。あー。天才ってこーゆーことだよなと思いました。

 

あれ?この記事自分語りしかしてなくね?

まぁそこに折り合いをつけて、自分の実力と立場に自分なりに納得して生きていくのが大人ってもんなんだろう。でもさ、辛い毎日に適当に理由をつけて生きていけるのはよっぽどできた大人だけで、僕には無理かもしれんなぁと。

 

僕だってビジネスではなくアートがやりたかった。それで評価されたかった。でも、まぁそれはできないならできないなりの生き方もあるんじゃないか。という漫画なんですが、この記事9割自分語りですね。やば。

 

本日は以上。それでは。