あるじゃないですか。なんとなく「これ読んどけばオシャレ」みたいな漫画。逆に「これの良さをわからないやつはダサい」みたいな。これを面白いと言っとけば通。通ぶるやつが過大評価して通常の評価よりも何倍も話題になる漫画。
「ダンジョン飯」とか、「空挺ドラゴンズ」とか、「だがしかし」とか。音楽で言えばSuchmosとか。もちろんそれらがつまらないって言ってるわけじゃない。普通に面白いんだけど、いや幾ら何でもそこまで評価するほど??って疑問を感じる作品は数多くある。
プルーピリオドもその匂いを感じる
美術というテーマは古代から人間が「よくわからないけどなんかすごい」ものとして扱われてきた代表格じゃないですか。ピカソとか北斎とかアール・デコとかアールヌーヴォーとか。おいらは昔デザインをがっつり勉強してたんだけどいまだにその辺の美術史とかよくわからんし何がいいのかわからん。だいたいそういうわからないやつはエッシャーとかみたいなわかりやすい騙し絵が好き。
でもたまに「なんでこの良さがわからないの??」みたいなやつがいる。そんなやつに「じゃあどこがいいの??」と尋ねればだいたいそれっぽい何にでも言えるような曖昧な答えしか返ってこないもんだ。
そう。美術ってマジでマウントが取りやすいんですよね。だってみんな何が良くて何が悪いのかよくわかってないから。そりゃーガチでゴリゴリに美術史勉強したやつはわかるんだろうけど、それ以外の奴にとってはマジで何がいいのか悪いのかわからん。
デッサンがうまいかどうか程度は素人にもわかるけど抽象画ともなるとマジでイミフ。幼稚園児が描いた絵が数億円になったとかニュースになるけどマジで俺が適当にぐちゃぐちゃ描いたのと何が違うのか全くわからん。
そんな美術がテーマの「ブルーピリオド」。前から話題になってた漫画だけど、なんとなくそう言ったよくわかんないけどわかってるぶるとかっこいいみたいな過大評価によるものだと思って多分俺そんな好きじゃないな…と思いながら暇つぶしに読んでみました。
ガチで美術がテーマ
美術がテーマの漫画作品というのは実は結構あって、少し古いのだと名作「ハチミツとクローバー」もそうだし、広意義では「左ききのエレン」もそう。他にもいっぱいあるんだけど、それらはあくまで舞台が「美術の世界」というだけであって、テーマとしては違ったりする。例えば「左ききのエレン」は天才に魅せられた凡人の葛藤みたいなものがテーマで、ハチクロは「美大の恋愛」がテーマ。
マジで「美術」そのものをテーマとしてる漫画は意外とないんじゃないかな。だってそこそこ勉強した俺でも美術わかんないんだからほとんどの人には伝わらないわな。
そんな中で「ブルーピリオド」では、最初から今までずーーーーっといかにうまく絵を描くかをやっていて、美術の知識が満載。あ、これガチの美術漫画だとちょっとびっくりした。
美大の世界ってどんなとこ?
教えましょう全てを!
引用元:ブルーピリオド
このコピーで読みたいと思うの美術やってる人だけじゃね?
一応主人公がヤンキーという前設定はあるんだけども、実際ヤンキー期間は最初の1話程度。その後はガチで美術漬け。恋愛要素もこれと言ったトラブルもない。マジで美大に合格するために必死に絵を勉強してる。言うなればドキュメンタリーでもみてる気分になる。
美術を知ってる人、努力してるに人にはめちゃめちゃに刺さる
多分この漫画にハマるかどうかはマジで美術を勉強してる人と「目標のために努力した人」だけだと思うんすよね。
要素要素に刺さる名言が出てくるんだけど、それがどれも頑張ってる人を肯定するもので頑張っていない人を否定するものばかり。
他人の努力の結果で酒を飲むなよ
引用元:ブルーピリオド
こんなん言われたら渋谷民全員爆死しちゃう。
好きなことをする努力家はね
最強なんですよ
引用元:ブルーピリオド
それじゃあ僕みたいな好きなこともない努力もできない人間はなんなんですか。教えてください先生!!
「ブルーピリオド」面白いし、有名絵画はやっぱり美術的なすげー技法が使われてるのとか知れて美術の勉強になります。正直僕的には「へー」って漫画だったんだけど、これが話題になるのは意外とみんな美術に興味あるの??もしくは美術を知らないけど知りたい欲求だけはあるの??それとも美術を知ってる俺スゲーぶりたいの??
どうなんでしょう?本日は以上。それでは。