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漫画を語る読み物マガジン

「我らコンタクティ」に見る緩やかな情熱

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僕は夢を持つ人が嫌いだ。彼らは周りの目を気にせずに自分の目的に向かってまっすぐに向かっていける。夢を叶えてる奴はもっと嫌いだ。こっちが必死で周りの目を気にして、自分のしてることがおかしくないか、自分だけ浮いてしまっていないか気をつけながら生きているのに、好き勝手に自分の夢だけを追いかけて、それを叶えてしまえるなんて、こっちの気遣いがバカみたいに見えてくるからだ。

 

となってくると、今回紹介する漫画、「我らコンタクティ」に出てくるキャラクター「かずき」なんて、本来であれば、僕に取ってはまさにストレスの種。憎むべき仇敵。柿の種でいうピーナッツみたいな扱いをするしかないような人物である。

 

こんな奴が、夢を叶える世界になってしまったら、やりたくもない仕事を必死で頑張っているサラリーマンや、夫の給料と人間性に不安を感じながら生きている主婦のみなさんはどうやって生きていけば良いんだよ。

おい。立ち上がれサラリーマン。こんな漫画許しちゃおけねぇ。

 

何も僕だって好き好んでこんな悪口を言いたいわけじゃない。僕は本来とても優しい人間で、漫喫に泊まれば隣でごそごそ音がしてきたら壁をドン!ってやってあげるぐらいの親切心を持っている人間なんですよ。

だからその親切心から、「そんな夢ばっかり追ってたら将来ろくな目に合わないよ…」というかずきの親のような優しい気持ちをこの記事に表しているんですよ。

 

だから僕はここで漫画のキャラクターであるかずきをぶっ叩いてやりますよ。覚悟しろ。

 

どう考えても頭がおかしい

「我らコンタクティ」に出てくる準主人公「かずき」は一人でロケットを作っている。学生時代の頃から目指した夢のためにひたすらに一人でロケットを作り続けている。その夢というのが、どうにも頭がおかしい。

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(我らコンタクティより引用)

 

 

そう。かずきは宇宙人に映画を見せるために、映写機を積んでロケットを飛ばし、宇宙で映画を上映すると言っているのだ。

 

そのためだけにロケットを作れる会社に就職して、仕事が終わった後、毎日夜な夜なロケット作りをしている。

 

いやね、こんなもん、ムカつくじゃん。何夢語っちゃってんの?そんな夢見てて良いのは10代まで。「良い加減大人になれよ」と絶対周りに言われたおす。僕らのような凡人はみんなその言葉でいろんな夢を捨ててきて、いろんな道を閉ざされてきたはずだった。その結果が今で、つまらないしやる意味のわからない仕事をひたすらにしているわけじゃん。

 

こんな実現できるわけないと思うような夢を、いつまでも必死に追い続けて、それでかずきが万が一にでも成功してしまうようなら、夢を諦めてつまらない仕事をしている自分が間違っていることを認めるしか無くなってしまうじゃない。そんなもんは耐えられないですよ。だからこのかずきみたいな奴には、是が非でも失敗して欲しいと願うんですよ僕らは。

 

これは夢を持つ人を応援する漫画

かずきって奴は、本当にロケットを作ること以外できないんですよ。なぜなら、単純にそれしかしてこなかったから。

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(我らコンタクティより引用)

 



だから彼が誇れるものなんて、本当にロケット作りに関することしかないんですよ。愛想もないから人付き合いもできない。

 

僕ら凡人はそんなことできないんです。だって、僕らは周りの視線や評価をどうしたって考えてしまうから。

 

でも、だからこそ彼は夢に近づくことができた。なぜなら夢を叶えることしか考えてこなかったから。

 

緩やかで熱い情熱

 

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(我らコンタクティより引用)

 

 

もちろん法律だって彼の夢の前では無意味。警察に捕まってもロケットを飛ばすことに執着する。

 

なんか、最初はなんだこの気持ち悪い奴みたいな気持ちで読んでたんだけど、読んでるうちに「頑張れかずき!」と思ってきました。悔しい。

 

この「我らコンタクティ」という漫画、画像の通りはっきり言って絵はうまくないです。いや、細かいところを見るとうまいから多分意図的にこうゆう表現にしてるんだと思うけど、なんというかゆるい。今まで何度か漫喫とか本屋で見たことはあるけど、絵のせいでなんとなく手に取りずらかった。

 

ところが読んでみると、そのゆるい見た目と相反する情熱が際立って見えてきて、読んでいて止まらなくなりました。すごい漫画だなーと思った。

 

ちなみに「我らコンタクティ」というタイトルのコンタクティとは、

Contactee…被接触

という意味。

 

つまりUFOに接触したせいで人生を狂わされた男の物語です。一巻のみで読みやすくてゆるくて熱い情熱を感じられる漫画です。すごいおすすめ。ぜひ読んでみては。

 

本日は以上。それでは。

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