左ききのエレン。めちゃくちゃ面白いですよね。各クリエイターが絶賛してるのもわかる。高校生あたりがあれを読んだらクリエイター憧れちゃいますよね。なんか簡単に広告賞とれそうだし、なんか簡単に有名になれそうだし。ただね、とってもお人好しの僕ちゃんはいいことを教えてあげます。
左ききのエレンで描かれているデザイナーは、全員美大卒のエリート集団ばかりということです。全員天才。「何者にもなれない」と嘆いている光一でさえ超絶エリート。現実のデザイナーはそれ以下。
引用元:左ききのエレン
こんなこと言ってるこいつ、ドエリートです。
左ききのエレンのキャッチコピーに「全てのクリエイターに捧ぐ」みたいなのを見たことあるけど、違います。全てのクリエイターが読むべきは左ききのエレンじゃない。こっちです。「午前三時の無法地帯」。
引用元:午前三時の無法地帯
「左ききのエレン」は確かに面白い。俺も好き。だけどね、あの漫画でクリエイターに興味を持った人たちはぜひ「午前三時の無法地帯」を読んでほしい。
華もないカッコ良くもない現実のデザイナーの話
ちなみにですが、この記事を書いてる僕も元々はデザイナーでした。
「仕事何してるんですかー?」って聞かれて「デザイナー」って答えると大抵「えー!カッコいい!」って言われるんですが、はっきり言いますがほとんどのデザイナーはマジでカッコ良くないです。
自分の名前がつくデザインをできる人なんてデザイナーの中でごくごく一部。1%もいないんじゃないかな。ほとんどは自分の名前なんかどこにも出ない“どっかの何か”をデザインしてる奴らばっかりです。
引用元:午前三時の無法地帯
99%のデザイナーと呼ばれる人種がこれ。スーパーのチラシやらしょぼい店のしょぼいPOPやら、誰でも作れそうな商品のパッケージとか、しょぼい近所の店のホームページとかほとんどのデザイナーがそんなことをやってるんですよ。
引用元:午前三時の無法地帯
んでもってそーゆーしょぼいデザインって、いかんせん単価が安いから数をこなさないといけないわけです。もうひたすらに数をこなす。そのためならサービス残業なんて当たり前。会社に泊まり込みすぎて週2,3日しか家に帰らなくても給料18万円とかザラ。
僕はアパレルのデザイナーだったからそれほどじゃなかったんだけど、当時付き合ってた広告デザイナーの彼女は終電で終われば「今日は早く上がれた」とか言う。それ以外は泊まりか夜中3時ごろにタクシーで帰ってくる。
それがデザイナーというものです。「午前三時の無法地帯」はそんな“カッコいい職業”デザイナーのリアルをめちゃくちゃ詳細に描いてくれてる。
ほぼ実話。
元:午前三時の無法地帯
あ、仕事漫画のようだけどこれちゃんとしたラブコメです。トチ狂った環境で働く女子の恋愛模様の話。
弩級に忙しい女の恋愛物語
と、デザイナーというものについて熱くなって語ってしまったのだけれども、この漫画のメインは仕事の話じゃないです。ラブコメ。
ラブコメなんだけども、デートする暇すらない。
元:午前三時の無法地帯
デートすることさえ仕事というミッションをクリアしないといけないんです。 だからうまくいかなくてもモヤモヤしてる時間がない。恋愛で落ち込んでもすぐに仕事。
元:午前三時の無法地帯
恋愛が上手くいかなくてボロボロに泣きながら必死に仕事するももこかわいい。
全然ゆるくない
何がゆるい魅力じゃ。これまとめたお前は2徹で仕事したことあんのかと。ガチで寝る時間を削らないと終わらない仕事抱えた女の恋愛物語のどこがゆるいのかと。
いやわかるよ。ゆるいと言いたい気持ちはわかる。でもそれはスカスカ感の絵柄が作る雰囲気(良い意味)のせいで、物語は全然ゆるくない。それどころか超忙しない。常に迫り来る仕事と恋愛の急展開。ゆるいとかいった奴は絶対ろくに読んでない。断言できる。俺はもう5回は読んだ。
いちいちオシャレ
引用元:午前三時の無法地帯
作者がデザイン畑出身だからか、扉絵がいちいちオシャレ。カッコいい。
いいですかみなさん。クリエイターというのは「左ききのエレン」で描かれているように華やかで、カッコいいものではありません。現実はタイトル通り「無法地帯」。こちらのリアルなクリエイター像もめちゃくちゃ面白いです。
ちなみに続編の「午前三時の危険地帯」もクッソ面白い。おすすめ。
ぜひ読んでみては。本日は以上。それでは。