正直な話、現実で見る女子サッカーってつまんなくないですか?
パススピードは遅いし、選手の足も遅い。シュートも緩やか。純粋な気持ちでサッカーを見たいと思った時に、女子サッカーを見ようという選択はなかなかしずらい。
これは差別とかそういうんじゃなくて、僕の中でサッカーと言ったら海外サッカーがメインだから、それに比べるとJリーグがどうしても見劣りしてしまうのと同じこと。大学サッカーを見たいと思った時に小学生のサッカーを観に行かないとの同じ理由。
ブロードウェイのミュージカルが観たい時に、学園祭の発表会を見せられても満足なんかできない。築地のイキのいい魚が食べたい時に、100円寿司では満足できないのだ。女子サッカーがお遊戯会と言うつもりはないけど、「サッカー」と言うカテゴリーの中で見たときに、どうしたって男子サッカーとはレベルが数段落ちてしまうのだ。
これが例えばW杯などになると、「サッカーを観たい」という気持ちではなく、「自国のチームを応援したい」だったり、「応援するチームが明確で盛り上がれるスポーツが見たい」という気持ちで見れるから、楽しむことができる。これはマイナースポーツ全てに言えることで、W杯やオリンピックだと話題になるけど、プロリーグになると客が増えない要因。
「自国を応援したい」と「女子サッカーを応援したい」はイコールで結ばれないのです。
そのためどれだけW杯で女子サッカーが取り上げられても、プロリーグはあまり盛り上がらないのだ。女子サッカーは「サッカー」というカテゴリー以外で集客したほうがいいと思うんだけどどうなんかね?ちょっとルールを変えて、サッカー以外の名称に変えるとか。もしくは「日本代表」みたいに「埼玉代表」とか「岡山代表」みたいに完全なる地域対抗にしちゃうとか。
選手のプライドもあるだろうから難しいのかな。
漫画の世界では女子サッカーもサッカーとして楽しめる
僕、サッカー漫画は大好きで、「ホイッスル」から「ファンタジスタ」「BE BLUES」「アオアシ」などなど熱心に読んでるんだけど、「さよなら私のクラマー」は女子サッカーということで敬遠してたんだよね。
理由は前述の通り、言葉を選ばずに言ってしまうと、女子サッカーはつまらないと思ってたから。
ところが、だ。
足はっや。
(「さよなら私のクラマー」より引用)
フィジカルつよ。
(「さよなら私のクラマー」より引用)
シュートえぐ。
普通にサッカー漫画として面白い。
当たり前と言ったら当たり前なんだけど、漫画の世界であれば現実的な不利は関係ない。
スピード感なんて、絵の表現でいくらでもなるし、フィジカル差も漫画内での相対表現で作ることができる。これ、当たり前の話だけど凄いことだなと。
現実で男がやってる力仕事と全く同じことを女性に求めることは難しいし、女がやってる美的感覚だったり接客の役割を男に求めることは難しいことなのだが、創作の世界では、男と女を、全く同じ役割として入れ替えることができるのだ。
なぜなら創作の世界で、男女の差と言うのは容姿だけにすることができるからだ。
あれ?ここまで書いてみて気づいたけど、俺めちゃくちゃ普通のこと言ってる??
漫画はマイナースポーツの救い
例えば10年以上前だけど、少年が読む漫画雑誌で「ヒカルの碁」が大人気になった。もっと昔で言えば、スポーツといえば野球だった時代に、キャプテン翼は日本全体に空前のサッカーブームを作り出した。
小学生が囲碁に興味があるはずがないのに、ルールなんてこれっぽっちも知らないのに面白いのだ。サッカーよりも野球だった時代でも、漫画が面白ければサッカーファンを作ることができるのだ。
最近で言えば、カバディの漫画が人気だったり、男子バレー漫画「ハイキュー」が人気になったり。
これってすごいことだと思うんですよね。漫画の世界では、無名のマイナースポーツでも、内容次第で面白くすることができる。ストーリー次第でルールすら知らないスポーツでも面白くなる。
そう言う意味では、男子サッカーと女子サッカーの差なんて、漫画の世界ではマジで関係ないことだったなと。
正統派サッカー漫画
あ、気づいたら「さよなら私のクラマー」の話一個もしてないじゃん、いっけね。
内容はめちゃくちゃ正統派なサッカー漫画です。キャプ翼みたく超次元サッカーではなく、戦術と技巧で戦う、バルサが生んだポゼッションサッカーから、それに対抗する堅守速攻型、さらにそこから進化した組織+個人技の戦術。作者めちゃくちゃサッカーファンだなとわかる。
そう言う意味ではサッカーファンであればあるほど楽しめる漫画です。
漫画っていいなーと、改めて思う漫画でした。これをきっかけに女子サッカーももう一度盛り上がって欲しいですね。僕は田中陽子選手が好きです。可愛いから。
本日は以上。それでは。