昨日に引き続き「さよなら私のクラマー」のお話。
漫画でさ、【すごい実績をあげた天才が弱小高校に進学して、一人でチームを勝ち進ませる】みたいな展開、めちゃめちゃありがちじゃないですか。
サッカー漫画で言えば「BE BLUES」なんかもそう。(この場合はちょっと事情があるけど)。バスケなら「スラムダンク」。野球なら「H2」。
それって卑怯じゃね?
この「さよなら私のクラマー」に関しても、中学時代に全国3位の実績をあげた天才のボランチ曽志崎緑が万年地区予選止まりの弱小チーム蕨青南高校に進学した。そこを選んだ理由というのが、一緒にチームを組みたい無名手がそこに行ったからという理由。
そりゃあそのほうが主人公にスポットを当てやすくて、弱小校の快進撃を演出しやすいだろうから、漫画的にはやりやすいっちゃやりやすいと思うんだけど、これって現実的に見たら、「強豪高校の競争や激しい練習を避けて楽して試合に出たい」という卑怯な思考じゃないっすかね?長澤くんに言わせたら「曽根崎くんは本当に卑怯だよ」って言われそう。サッカー漫画界の藤木くん。
中学でそこそこ勉強ができるやつが、進学校に行かずにバカ高校で成績トップにたつとか、東大卒のやつが零細企業に就職してそこでどんどん昇進するみたいな。見てる側としては結局そいつスゲーの?ってなりがち。そういった奴らのほとんどは成長が止まりいつの間にか無能に成り下がる。人の実力は周りの実力に影響されるらしい。
そりゃー土俵のレベルを下げればその場所での活躍はしやすいですよ。鶏口牛後ということわざがあるように、大きな集団の尻にいるより小さな集団のトップにいる方が快適だろう。大きな集団のトップに立つには相当な努力がいるけど、小さな集団のトップに立つのは、努力なしでいける場合も多い。
大抵の漫画では弱小校を一人の天才が勝ち上がらせることが美談にされやすいけど、よくよく考えたら、自分の能力に見合っていないとこに行くのって、逃げの一手としか取りようなくないですか??「H2」だと外野がエラーしまくりなのに比呂の投球だけで勝ち進んだけど、外野の選手の実績としてそれは残るはずで、じゃあその外野の選手が勘違いして、その実績を提げて大学でも野球しようと思っちゃったらどうなりますかね?不幸な未来しか想像できない。
「さよなら私のクラマー」曽志崎緑の場合には、追いかけていった無名選手、周防すみれと自分の二人がいればどんな試合も勝てるという考えからだと思うんだけど、そうだとしたら残り9人の選手は誰でもいいと思ってるということで、幾ら何でもサッカーなめすぎ。天才二人+ポンコツ9人で勝てるわけない。いくらチームにメッシとモドリッチがいても、それ以外が高校生で、プロチームに勝てるわけないんですよ。
だってそれ以外の強豪はどこもかしこも11人天才しかいないんだから。
現実にこんな展開はあるのか?
と思って検索したんだけど、マジでない。
去年の甲子園優勝チーム「金足農業」が県立高校にエース級ピッチャーということでそれに近かったけど、実際調べてみると元々東北では強豪高校だったようで、流石にちょっと違う。
サッカーではプレミアリーグでレスターが優勝した時なんかは、快速のバーディーと鉄壁ボランチカンテと、サイドのマフレズの3人で勝ったみたいに思われがちだけど、他の選手のできる役割をうまく使った戦術の結果だ。
つまり、現実でガチのワンマンチームが勝ち進むことなんてマジでないんすよ。もちろん漫画は夢をみるためのものと言われたらそれまでだと思うんだけど、漫画による影響で人生が変わる人も大勢いると思うから、その辺はちゃんと理解しといたほうがいいと思うんすよね。
だって、「さよなら私のクラマー」の影響で天才サッカー少女が弱小チームに行ったりしたら目も当てられないもん。絶対に周りが思うように動いてくれなくて詰む。弱小チームのフォワードはマジで点が取れない。弱小チームでフォワードやってた俺が言うんだから間違いない。中盤が超良いスルーパス出してくれても追いつけないんです足が遅いから。超足元に納めてくれるパス出してくれてもトラップで全てをぶち壊すんです。それが俺だ、舐めんな。
主人公誰??
はい。色々言ってみたけど、「さよなら私のクラマー」は文句なしに面白いです。
てか主人公誰?登場回数的に恩田っぽいけど、第1話でフューチャーされてるの周防なんだけど。第一話で主人公以外がピックアップされることある?
(さよなら私のクラマー第一話の最後のシーンより引用)
このシーンの後に周防以外が主人公なことある??
いや、別に漫画において誰が主人公かどうかなんて大したことじゃないんだろうけど。ドラえもんでも、主人公のび太かドラえもんかわかんないし。別に主人公なんていてもいなくても良いんだろうけど、読む側としては予測がしにくい。
ここで周防がゴールだ!と思って読んでると、恩田がドーン!って来る。
スパイダーマン観てたらボスキャラ倒すのはスパイダーマンだ!と思ってみてたのに、アイアンマンが横から入ってきて倒していったみたいな感覚に襲われる。アンパンマンみてたら、バイキンマンをカレーパンマンが倒しちゃうみたいな。
え?お前脇役じゃなかったの??みたいな。
それが面白くもあり、??ってなったりします。チームが主人公と言う考え方なのかもね。
本日は以上。この記事が面白かったと言う人は読者登録、もしくはSNSで共有してもらえるととても嬉しいです。
それでは。