メタモルフォーゼの縁側を読みました。はい。
正直、“おばあちゃんと婦女子がBL漫画をきっかけにお友達になる話”と言うざっくりとしたあらすじをどこかで見たせいで敬遠していました。
そりゃーだって僕だってまだ若者と言われる年齢ですし、一般的な性感覚を持っておりますし、“おばあちゃん”“婦女子”“BL”どれを取っても僕の興味に刺さりませんでしたもの。
おばあちゃんと婦女子の話とか、マジで縁側でだらだら喋りながら「おほほ」「うふふ」みたいな光景が浮かんできて、「つまらなそー」と言う感情しか生まれません。
ところが、今日たまたま寄った池袋のCASUTAMA CAFEと言う漫喫で〇〇特集!(何か忘れた)のコーナーで目立つところに置いてあり、そういえばなんか話題になってたなーと思って手に取りました。
やられました。“おばあちゃん”“婦女子”“BL”どれを取っても興味に刺さらなかった僕。今ではもうこの婦女子とおばあちゃんのBL談義に興味津々。続きが気になってしょうがない…。
おばあちゃんの日常の心理描写がめちゃくちゃ新鮮
なんと言うか、これ僕だけなのかもしれないけど、お年寄りって自分たちと人種が違うって気がしません?なんと言うか思考回路が全く違うような。
例えば僕らは電車とかでうるせーやつがいると「うるせーなー」って思うけど、お年寄りはそんなの全く気にしてなさそう。と言うか何も考えてなさそうな気がする。だって、あっつい日でも無表情で歩いてるじゃないですか。おっさんは胸元パタパタしながら歩いてるのにおばあちゃんは日傘差しながら無表情でぼーっと歩いてる。お年寄りって喜怒哀楽が表情に出ないと思うんですよね。
そのせいか漫画であってもお年寄りが出てくると全く感情移入できない。
ところが…
引用元:メタモルフォーゼの縁側
「メタモルフォーゼの縁側」のおばあちゃんはめちゃくちゃ表情豊か。
ふと気づいたんだけど、お年寄りのこーゆー日常の心理描写ってめちゃくちゃ新鮮じゃないですか?
お年寄りも病院で二時間待ちだと「うわー…」って思うんだね。なんと言うか当たり前っちゃ当たり前なんだけど、こうして書かれると年寄りも同じ人間なんだよなーって実感した。
元気なおばあちゃんの可愛さやばい
引用元:メタモルフォーゼの縁側
BLを読んで「あらー」って言っちゃうおばあちゃんめちゃくちゃ可愛い。そんで次の巻を楽しみにしちゃう姿も可愛い。
引用元:メタモルフォーゼの縁側
喫茶店でデザート食べたくなっちゃうのも可愛い。
なんですかねこれ。例えばおっさんが漫画を楽しみにしてても別に可愛くもなんともないじゃないですか。ところがおばあちゃんだと可愛く見える。多分おじいちゃんでも可愛く見える気がする。
これって多分、めちゃくちゃ失礼だけどペットを見てる感覚に近い気がするんですよね。上記に書いたように、若者にとって年寄りって“理解不能”“何考えてるかわからない”存在なんですよ。だからこそウキウキしてる姿がなんか可愛く見えちゃう。犬が楽しそうにしてると可愛いじゃないですか。おっさんが楽しそうにしててもウゼーなとしか思わないのに。
なんと言うかもしかして僕らって、“何考えてるのかわからない存在が何考えてるかちょっとわかると嬉しい”を“可愛い”と捉えるのかな。
泣いちゃう
引用元:メタモルフォーゼの縁側
「ま こんなもんか」って…おばあちゃん…。
僕はこのコマの一言とこの表情で涙腺がかなりやられました。この後の「…」が重すぎる。
このおばあちゃんにBLを最後まで読ませてあげてぇ…。そんな諦めたように「ま こんなもんか」なんて言って欲しくねぇ…。おばあちゃん長生きしてくれぇ…。
引用元:メタモルフォーゼの縁側
BLを読むために朝一で本屋に寄っちゃうおばあちゃん可愛すぎる。お年寄りが新しく何かに興味を持ってワクワクしてる姿めちゃくちゃいいですね。嬉しそうにしてる顔見るだけでこっちまでニコニコしちゃう。
この漫画、読むとすごく心優しくなれます。こんなひねくれまくった僕でさえおばあちゃんを見てるだけで嬉しくなる。
「メタモルフォーゼの縁側」“おばあちゃん”“婦女子”“BL”と言うとっつきにくいテーマだけど、いざ読んでみると心理描写がしっかりしててめちゃくちゃ入り込みやすい漫画です。おすすめ。
ぜひ読んでみては。本日は以上。それでは。