先日平成最後の月9として放映されドラマ「ラジエーションハウス」ですが、どう考えてもモリタイシ先生の作画が強すぎて2000%漫画の方が面白いので、今日は漫画版「ラジエーションハウス」の魅力とモリタイシ先生の書く女の子の魅力をひたすらに語ります。
医療漫画ということで、一見するととっつきにくい感じはありますが、めちゃくちゃわかりやすく楽しめる漫画です。
ラジエーションハウスの面白さの秘密
この漫画。主人公の五十嵐は海外の大物権威に一緒に働きたいと言われるほどの医師の実力を持っているくせに、初恋の人、甘春杏との約束のために、医師のサポートとして放射線技師の地位に甘んじている。
そのため、周りからはたかがサポート役のくせにとナメられながら、その実力で黙らせるという、一見すると売れ線漫画の法則そのものの「オレスゲー!」。そしてナメられて見返すという爽快感で売っているように見えるし、もちろんそれも面白さの一つではあるのだけれど、この漫画の本質的な面白さはそこじゃない。
この漫画の面白さは、ストーリーごとに訪れる、たかだか数話しか登場しない患者一人一人のバックボーンをめちゃくちゃ詳細に書くことだ。
患者一人一人へ感情移入させられる
引用元:ラジエーションハウス
上記のシリーズでは、ゲーム好きな夫婦の女性が一度乳ガンと診断されながら、主人公五十嵐の診察により、悪性ではないことがわかるという3話に渡るシリーズなのだが、ほぼ一話分以上をこの二人のエピソードに使う。
二人がどこで出会い、どんなゲームをやっていて、どんな関係性なのか。お互いがどんな人生を歩んできて、なぜ惹かれあって結婚したのか。
それをめちゃくちゃ詳細に書く。
引用元:ラジエーションハウス
やってるゲーム自体まで書く。これなんの漫画??雑誌で連載してた時絶対読者戸惑ったよね。まさか医療漫画のワンシーンとは思えない。というかモンスター書くのうますぎでしょ。絶対作者楽しんで描いてる。
引用元:ラジエーションハウス
こちらも別の乳ガンのシリーズ回なんだけど、家庭の話にかなりの割合をさく。なぜ妻がどんな人柄で、どんな仕事をしていて、乳房切除にどんな思いがあって、どんな気持ちで診察に向かうのか。それを事細かに書く。
そこまで詳細に書かれるとさ、いつの間にか読みながらめちゃくちゃ感情移入して、僕も乳房のある女になってしまうんですよね。乳房を失う悲しみに「切りたくないよ…」と涙してしまう。女としての自信を失いかける。いやほんとは立派な成人男子なんですけどね。
普通、医療漫画というと、どう考えたって主役は医師の方で、患者の背景なんて結構あっさり書かれるものが多い。そりゃー作者としても、医師の方に感情移入させて読者を医師の気分にさせた方が人気に繋がりそうな気がする。
ところがこの漫画は違っていて、患者の方に感情移入をさせる。なんなら主人公やヒロインどころか主要キャラほぼ出ない回もあるぐらい。
だから毎話毎話患者一人一人に涙腺をやられる。
というシリアスパートともう一つの魅力が、作画モリタイシ先生の圧倒的な変態性。
モリタイシという変態について
その点でこの作者。なんというか、なんとなくですが全体的に女キャラの書き方がエロいんですよね。しかもいやらしいエロじゃなくて健康的なエロさ。
その大きな理由が異常なほどのシワの書き込み。
引用元:ラジエーションハウス
服のシワひとつひとつ全て書きこむ。肩から腰、下半身までひとつたりとも逃さない勢いでシワを書き込む。特にそれが女性キャラになるとめっちゃ顕著。そのせいでキャラの体つきがめちゃくちゃわかる。もっと言えば下半身になるとめちゃくちゃ細かい。
尻と尻の間の影とか、絶対そこまで書き込む必要ない。なのにモリタイシ先生は「尻の丸み」を伝えることに全力を注ぐ。
引用元:ラジエーションハウス
絶対パンツ透けさせる必要ないよね??これお色気漫画だっけ??クッソ真面目な医療漫画だよね??シワの描き方混みっぷりがAKIRAのそれ。
「尻を書かせたら右に出るものはいない」と言われる桂正和先生も、「エロく見せるにはシワにこだわる」って言っており(出典不明)、パンツのシワの書き込みにとてつもなく神経を注ぐそうです。モリタイシ先生の場合にはそれが全身に及ぶ。
引用元:ラジエーションハウス
この尻部分、股下の影とか書き込む必要ある??しかもこの漫画のストーリー的にエロとか絶対不要なのに、それなのに必要以上に書き込む。そのせいで女性キャラがいちいちエロい。
引用元:あそこではたらくムスブさん
同時連載中のこちらでもその書き込みっぷりは健在。 約20年前の初期作、「いでじゅう!」でも見受けられる。
引用元:いでじゅう!
このモリタイシ先生の以上なシワへのこだわりのおかげで、シリアスパートに疲れたところでまったりパートに別れて飽きずに読むことができる。
「ラジエーションハウス」。ドラマから入った人も是非漫画を読んでみては?モリタイシ先生の画風のおかげで全く違った楽しみ方ができます。
本日は以上。それでは。