僕ちんの勝手な偏見なんですが、タイトルがまどろっこしいような、奇をてらったような名前の漫画ってつまんない印象があるんですよね。だってタイトルが印象的なものほど内容が薄っぺらくてインパクト重視な気がするじゃないっすか。薄っぺらい内容を必死でタイトルで誤魔化してる感じ。
例えばフランス料理なんかにあるカッコつけた名前の食いもんあるじゃないですか。「鶏胸肉のサラダ仕立てをトンナートソースで」とか、「アスパラガスのシャルロット グリーンピースのムースを詰めて新玉葱のエスプーマを載せて」みたいな。マジで何言ってっかわかんねー。頭すっからかんのパパ活女子が好きそうなメニュー。意味がわからないけどなんとなくそそられる感じ。で、食ってみたら案の定日高屋の餃子の方が二億倍うまいみたいな。
だいたい名前に変に凝ってるもんって中身すっからかんなんすよね。キラキラネームの人間にろくな奴がいないように。いや完全に偏見なんですけど。名は体を表すとかいうけど、それは結果論であって体が名を表す生き方をするべきじゃないですか?
昔情報商材屋に勤めてた時に迷惑メールを飛ばしまくってたんだけど、そん時もメールの件名はよくわからない方が人の目につきやすいということでやたら意味不明の件名を作らされました。「お金を稼ぐ秘訣はくるぶしにあった!」みたいな。人は理解できる言葉よりちょっと考えないといけない言葉の方が頭に残るそうです。やってて頭がおかしくなりそうなので秒で辞めました。
それと同じパターンで、なんとなく意味がわかるようなわからないようなまどろっこしいタイトルをつけてくる漫画ってだいたいつまんないと思ってたんです。
今回もそーゆーパターンの漫画だろうなと思って雑に漫喫で手にとってみた。「親愛なる僕へ殺意を込めて」。
伏線張りすぎ
主人公が犯罪史上に名を残すほどの殺人鬼の息子であり、さらに二重人格、そして人格が入れ替わっている時間の記憶がない。気がつくと部屋の押入れには3000万円の大金と血まみれの金属バット…。
いや設定重。こっわ。どんだけ要素詰め込んでんの??僕が考えた最恐の主人公??
殺人鬼の息子というだけで物語が成り立ちそうなものを二重人格まで入れちゃってさらに彼女が〇〇で!みたいな。読めば読むほど設定が盛りだくさん。大丈夫??風呂敷広げすぎ。設定の四次元ポケット。さつじんきのむすこ〜なんて秘密道具出したら破綻しちゃわない?バイバイン現象起きない??(ドラえもんで振りかけたものが5秒ごとに倍になる秘密道具。栗饅頭に振りかけたところどうしようもなくなり宇宙に飛ばしたが宇宙では今も栗饅頭が5秒ごとに倍に増えている。宇宙が崩壊の危機。)
とある殺人事件が起きた夜。僕の記憶がなかった。ところが押入れには3000万円の大金と血まみれの金属バット。その夜僕は何をしていたのか?
という展開からスタートするんだけど、それがまた怖い。
主人公が基本いい奴だもんで、こっちは他の人が犯人であってくれ…と願うも読めば読むほど出てくる証拠の数々。やってんねー。こいつ。と思いきや…。といううまいことこちら側のハラハラ感を演出してきやがる。くそ。おらハラハラすっぞ。
しかもホッとしたのもつかの間信じていた命をかけると決めた彼女が…え、えぇぇぇ!!??やめてよー!!っていう。
グロいけどストーリーにちゃんと乗ってる
引用元:親愛なる僕へ殺意を込めて
この漫画、最近の傾向に乗っ取りちょくちょくグロい絵やエロい描写がちょいちょいでてくる。本来こーゆー安易にグロ絵に走る乗って好きじゃないですよね。上記と一緒の理由で「こーゆー絵書いとけば君たち読むんでしょ?」感を感じるから。こーゆー絵を多用する漫画はだいたい読者をナメくさってる。
なんだけど、「親愛なる僕へ殺意を込めて」ではストーリーに必要不可欠だからこそこうゆう描写が出てくる。どこぞの奴隷で遊んでるクソ漫画とは全く違って犯人の凄惨さと異常性を出すために必要不可欠な描写だ。
インパクトを強めるためじゃなくて、読者をストーリーに引き込むためにちょうどいいところにこうゆう恐怖を煽る絵がドンと置かれてる。こえー。でも面白い。
表紙のデザイン好き
表紙の文字フォントも構図もデザインとしてめちゃくちゃ凝ってる。ただキャラクターがポーズとってるんじゃない。作者のこだわりをめちゃめちゃ感じる。好き。
“僕”の身に起きた“小さな異変”
それは“大きな絶望”の始まりだった。
引用元:親愛なる僕へ殺意を込めて帯文より
何この帯の文章。かっこよ。厨二ごころくすぐりすぎ。読むでしょ。
ということで「親愛なる僕へ殺意を込めて」。
タイトルが小物感を醸し出してるけど、読んでみるとめちゃくちゃ面白い漫画です。
ぜひ読んでみては?
本日は以上。それでは。